第91章 毒入りスープ
「随分と賑やかだな、何の話をしてるんだ?」
昼過ぎ、主の部屋から聞こえた笑い声に釣られ部屋の扉を開くと、書き物をしながら本を片手に、本丸の者と話し込んでいる姿があった。
「ん?…あ、鶴丸が来たよ!」
「おお、前田に秋田!どうした、面白い事でもあったのかい?」
「「鶴丸様、今、主君に一緒に遊んで頂いていたところなんです。」」
そう言った前田が、嬉しそうに手にした賽子を振って見せる。ああ、またいつものあれか。しかしこの二人とは珍しいな。
「二人とも初めてだし、ロストしない物をやってみてたんだよね?」
「「はい、お菓子を探す可愛いお話ですよー!」」
「「前に鶴丸様達がなさっていた、家を見に行ったり雪山へ行く怖い物ばかりではないと聞いて、安心して出来ました。」」
ねっ!と、顔を見合わせた二人が楽しそうに笑う。