第90章 残り香
「はっ……こ、んなにして。悪い子ですな‥」
「ぁ…ぅ、言わないでっ‥」
「んっ、お仕置きが必要かな…」
わざと弟達に言い聞かせる様に言うと、顔を上げたさんが困った風に瞬く。強く目を瞑り過ぎたせいか、涙目になったその目からぽろりと頬を伝った。
あぁ、勿体無い‥目尻に口付けをして頬を伝った涙を唇で拭う。そのままさんの唇に重ねて、舌を吸い上げる。
ぎちっと握り潰す様に動いた奥が、散らしていた感覚を急激に呼び戻し、弾けてしまいそうなそれに一層熱を持たせた。
「んっ……あっつ、ぃ…」
ゆっくりと内側の感触を楽しむ暇はもう無いみたいですな。首へ掴まるのさえ辛そうなさんの片足を上げ、腰を抱く。
「っ…さん、お覚悟。」
人間の本能とは恐ろしい。それに任せて、腰を打ち付けた。