第90章 残り香

爪先立ちで逃げているさんを両手でしっかり掴まえて、壁に背中を押し付ける。

「くっ…さん、少々、辛いかもしれませんが‥お許し下さい。」

背中で交差する様に抱き締めて両肩を押さえ付ける。大丈夫ですからね、と呟いて、そのまま一気下から突き上げた。

「ゃ‥！？あぁっ！」

「ぐっ…‥」

熱くて苦しい…物凄い締め付けに、一気に意識が飛んでしまいそうだ。

慣らしてから、と思う間もなく次々にやってくる快感に、じっとしている事が出来ない。奥の壁をぐりぐりと擦ると、一層締め付けが増す。

「んっ…はぁ、さん、これが宜しいのですか？」

はくはくと乱れた呼吸を繰り返す小さな身体を優しく撫でて、右の太股を軽く持ち上げる。