第89章 夢路
熱くうねる壁を割り、奥へ奥へと押し込む。
最奥の壁をぐりっと抉る様に押し上げ、ゆっくり引き抜くと、行かないでと襞が絡み付いてくる。
抜ける寸前で止め、その際を擦り、また最奥を叩く。
「っ…ぁ!んんっ!!」
「くっ…」
きつい、苦しい、と切なく鳴く声が耳の中で甘く反響して頭の中がで一杯になる。
「‥」
「ぁっ…や、呼ばないでっ‥」
俺の上で乱れるにそう呼び掛けると、また一層奥へと誘う波が強くなった。
くれてやる、あんたが欲しければ好きなだけ。
名前を呼びながら腰を打ち付ける。熱いうねりに夢中になり、堪え切れ無いと上げた高い声にぞくりとした。
腕の中にあるの体温は、今は俺だけの物だ。それをこいつにも解らせたくて、何度も何度も突き上げた。