第7章 凌辱 ~後編~
「ぃ……!? ゃ、ぁ……!?」
私は、カッターナイフの刃先で、金本マオの乳首をツンツン、と軽くつついてみたのだ。
これには、金本マオも驚きを隠せない様子だ。
「な……、な、に……?」
「何って、そろそろ敏感なトコロをヤっちゃおっかなー……って、それだけ。」
「―――――っ!!?」
金本マオの顔が、さらに青ざめた。ここまでくると、蝋人形のようですらある。
「あ、アンタ本気!!? 気が……! 気が、っ、お、おかしいんじゃ、ない、の!!??」
正気を失いつつ、途切れ途切れに、振り絞るようにして言葉を発した金本マオは、もはや滑稽でしかなかった。ついでに、金本マオの全身は、大きく震え出した。
「それじゃ、せーのっ。」
私は気の抜けた掛け声とともに、金本マオの左乳首に、ぐりぐりと回転させるようにして刃先を押し付けた。めり込んでいく、薄い刃物。玉のように溢れて、零れ落ちていく、鮮血。
「ぎ、ぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――!?」
金本マオの声が、防音室の壁に吸い込まれていく。それでも、目の前の私にすれば、うるさくて仕方がないほどだ。
「セバスチャン、うるさくて仕方ないんだけど、どうしたらいいの?」
私がそう言って顔を向ければ、セバスチャンは、ここが凌辱現場だとは思えないほどの素敵な笑顔で、ニコリと微笑んでくれた。
「金本マオ様は、まだまだご満足できないのではないでしょうか?」
今までに聞いたことがないほどに弾んだ、セバスチャンの声。
「あ、そっか。んじゃあ……。」
私は、ガクガクと震え続ける金本マオの両足を、左右に大きく開かせた。もう、体を上手くコトントロールすることもできないのか、金本マオの両足は、特に抵抗もなくすんなりと開いた。
「パンツ邪魔~。」
私は、そう言いながら、薄い生地のパンツを、いよいよカッターナイフで切ろうとした。しかし、先程の行為でカッターナイフの切れ味が鈍ってしまったのか、上手くいかない。私は、仕方がなく、カッターナイフを適当に横へ置いた。その様子を見た金本マオは、解放されると勘違いしたのだろうか、ふぅ、と軽く息を漏らした。まぁ、その勘違いは、それはそれで私にとっては好都合というか何というか。
私は、鞄の中から、タオルにくるまれたものを取り出した。折角なので、これ見よがしに、金本マオの顔の前で、動きを止めてやる。
