第4章 静謐に佇む
「…ん……、」
何度も重なる唇から、互いの熱が伝わる。
泣きたいくらいにそれは何だか切なくて哀しくて
どんなに望んだとしても、真綿はこの手には入らない。
「ん、ぁ、…ふ、……」
「……本当…、この手で壊しちゃいたいよ」
一層の事、
立ち直れないくらいにまでぼろぼろにしてしまいたい。
でも、真綿は暗殺者だ。
たくさんの男に幾度となく抱かれ、
これからも、そうなのだろう……
この願いは叶わない。
だったら、一夜の夢でも良いからと
行為を強要する人も、たくさん居ただろう…
無理にでも抱かれて犯された真綿の身体は
とっくの昔に、ぼろぼろになってしまった
「んん、…っは…ぁっ…!」
「…ねえ…?
そんな顔、誘ってるようにしか思えないよ…真綿」
するりとその白いお腹をなぞって、下着に手を及ばせた。
唇をわずかに離して、言葉をつむぐ
「……好き、好きなのだよ、私は……」
強く強く、その目は真綿を切望し、今にも喰いかかろうとする獣。
「…例え、私だけのものにならなくても良い……」
ぎゅっとその腰を抱く。
捕縛したえものを決して逃さないように。
腹をなぞった指で、真綿の内腿へと手を這わせてゆく。
少しずつその手を、秘部に近づけていった…
「〜〜っ!」
ちゅく、と音がして、その蜜へと指を入れた。
真綿がびくと肩を揺らす。
「ん、っあ、おさ…っ」
恥じらうかのように染められた頬…
抗うように、若干 潤んだ目が堪らなく、くる…
背後から、その華奢で小さな背を取って
ベッドに押し付けた。
そのまま胸に触れる。
柔らかく揉んだ、その手つきは慣れたもので…
「っは…ぁ、」
「…ん…真綿…」
ちゅ、ちゅと唇を合わせる間に
手を縛られたまま真綿がぴくりと震えた。