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【黒子のバスケ】どうしようもなく好きだったから

第35章 新戦力





【赤司】
「・・・話があるんだ、はち。」




夜。


風呂上がりの彼が口を開いたのは、その言葉を出すためだった。




『え?』




こう返すしかない。


いつになく真面目な表情だし、声色も真剣そのものだ。







【赤司】
「・・・その、はちの眼に宿っている力、帝光バスケ部で使えないだろうか」











いつか来ると、思っていた。









『帝王の眼』こと、エンペラーアイ。


これは、確かに本編でも戦力になっていたから。


でも、それは赤司くんだったから。



試合に出ないわたしが、これをどう使ってみんなの手助けをしろと・・・?




『もちろん、いいんだけど・・・。
どうするの?』



ふむ、と少し考え込む赤司くん。


顎に手を当てて、どこか先輩に似て・・・・・・いや、なんでもない。





【赤司】
「少し得点が伸びない時などに、助言をする、とか?」



『でも、この眼ってね・・・目の前にいる相手の次の動きを読み取る能力?なの・・・だから、わたしには無理なんじゃ・・・』



【赤司】
「・・・そのこと、考えてみたんだが・・・」



えっ今の一瞬で考えたのさすが赤司くんとしか言いようがないっ!?





【赤司】
「はちは、虹村さんが部屋に来る情景が思い浮かんだ、と言っていたな。


・・・それはつまり、目の前の相手じゃなくても次の行動が見えるってことじゃないのか?」




『・・・言われてみれば、そうかも』




確かに、少し先のこととかも見えた・・・気がする。





じゃあ、こんなわたしでも・・・




【赤司】
「───『こんな』じゃない。

はちだから、必要なんだ」










声に出ていたのかな

てか、いちいち嬉しいこと言ってくれるよね





わたしは、首肯した。











そのとき微笑んだ彼の笑顔に、すこし嬉しくなった。






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