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【黒子のバスケ】どうしようもなく好きだったから

第33章 どうしようもなく辛いこと



《・・・はちが車に乗り込むとこ、見てたから分かってる

俺も・・・あいつと合わせる顔がねぇ・・・

よろしく頼んだ》



あいつの目が、見れないんだよ






そう、一言



呟いて


そして



それきり
















彼の声は、途絶えた












【赤司】
「・・・・・・。」



勝ち目のない試合も、勝って当然のゲームも、張り合いがないと面白くない

こんなにあっさり頼まれるのは、なんだか背中が疼く。

よろしくしたくないな




【赤司】
「・・・・・・二人とも、逃げてるだけだな」



お互いから。


受け入れようともせず。




【赤司】
「・・・それで、はちが俺に好意を寄せてくれたら・・・なんてな

性根が腐りすぎてるか」




自嘲気味に嗤い、窓の外を眺める


今の彼には、ただそうすることしか術はない


















『・・・・・・。』




盗み聞きなんて悪い、そう思いながらも耳を研ぎ澄ましている




だって、見えるんだもの



この目蓋の奥に、空を仰ぎ見る彼が。





聞こえるから。


電話の内容、はっきりと。





『・・・目が、見れない、とか』




彼女も、自嘲気味に嗤う




彼女が押し殺したはずの寂しい感情が、渦を巻く






・・・でもそれも、もう終わりにしよ








・・・こんなの、虚しいだけだよ











どうしようもなく好きなことは、


どうしようもなく辛いことなんだ。









叶わぬ恋は、己が死ぬ前に終わらせよう
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