第19章 たまには女子だけで
そこまで、答えたくないような事なんだろうか。
りんさんにはりんさんの考えあって、それに乗っ取って、敢えてそうしているなら、無理に聞く程の事ではない。
「…で、なんでツッキーを名前で呼ばないのよ?」
私は聞くのを諦めたのに、きとりちゃんの関心はそこに向いてしまったらしく。
楽しそうな笑顔でりんさんに詰め寄っている。
「…同じ会社の、同じ営業部で働いてるから、変な噂立てられたくないし。」
仕方なさそうに答えているりんさんは、明らかに不愉快な顔をしていた。
「でも、結婚するなら報告するでしょ?名字呼びの方が、変な噂にならない?」
「なる訳ないでしょ。大人として、公私分けてるだけなんだから。」
そんな顔に気付いたからって、止まってくれないのがきとりちゃんだ。
りんさんは、イライラを吐き出すように早口になっていく。
「分けてないじゃん。今って、プライベートな場面だよ?名前呼びしても良くない?」
ここで参戦して、更に追い込もうとするのはみつ。
「…だって、いきなり名前で呼んだら…悪いものでも食べたような扱いされそうじゃない?」
観念したようにりんさんの口から本音が出てきた。