第11章 One Step
深いくちづけを繰り返した後、さっきは拒否された首筋に吸い付く。今度は甘い吐息を吐きながら受け止めてくれた。
「あっ、ん…」
初めて聞く翔くんの甘い声に下半身が疼く…
もっと聞きたくて何度も吸い付いた…益々甘くなっていく声に煽られ吸い付く力が強くなる。
「あ、さと、だ、めだよ、痕…つい、ちゃ…」
注意する翔くんの表情が色っぽくて何を言われてるのか理解するどころじゃなく、更に激しく吸い付いた。
「あんっ、だめ、だっ、てば…あっ、ん…ね、見えな、い、とこ…し、て…」
息も絶え絶えに抵抗する姿が下半身の疼きを増幅させた。
要望通り胸や脇腹に吸い付いてあげるとその度に体が小さくピクピクと跳ねる。
「あっ、あ…はっん…」
もはや止まることのない喘ぎ声になけなしの理性は吹き飛ばされ本能の赴くままに翔くんの体を開拓していった…
「やっ!あんっ、あぁっ!さ、とっ、ん!」
「しょっ…んっ、あぁっ…」
何度目か翔くんの中で達した後、ふと翔くんを見ると意識が朦朧としているみたいだ。
「しょお…大丈夫?」
そう言いながら髪を撫でる。
「んっあっ…」
それだけで背中が仰け反る翔くん…その姿が妖艶で…綺麗で…また見たくなった。今度は体に手を這わせると同じように首元を反らし喘ぎ声をあげ涙目で俺を見る。
「も、や、ぁ…」
「ごめんね…苛めたいわけじゃないんだけど、あまりにも綺麗だから見ていたくて、つい…」
そっと抱きしめるとぎゅっと抱きついてきた。なんだろ、この込み上げてくる愛しさは…翔くんが可愛くて仕方ない。側にいるのが当たり前でこれ以上好きの気持ちが大きくなることはないと思ってた。でも、手に入れた宝物は今だかつて感じた事のない幸せな気持ちをくれた。
「翔くん…大好き…」
そう囁くと腕の中でピクッと小さく震え『俺も…』と言う声が微かに聞こえた。その声でまた幸せが大きくなった。
翔くん、これからもふたりで限りない大きな愛を育てていこうね…
fin