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【イケメン戦国】燃ゆる華恋の乱

第36章 琥珀が結んだ熱と君 / 徳川家康




幸せなんて、無縁だと思っていた。
力でのし上がった先は、きっとまた戦いだ。

だから、誰も幸せに出来ないと。
幸せなんて、要らないと。

そう思っていたのに……


「俺、舞と居ると欲張りになる」


家康は胸に舞を抱きしめたまま、ぽつりと呟いた。


「幸せなんて、欲しくなかったのに……舞との幸せならたくさん欲しい。たくさん、二人で幸せになりたい」
「家康……」


舞が胸から顔を上げ、見つめてくる。
その瞳は怖いほど澄んでいて、でも綺麗にキラキラと光っていた。

指でつっと唇をなぞる。
すると、舞の肩がぴくっと震えた。


「ん……っ」


自然な流れで、舞の唇をついばむ。

その唇はとても柔らかく、そして甘く……
幸せそのものな気がして、もっと欲しくなった。

口付けはだんだん深くなり、お互い身体を寄せ合う内に、衿元が乱れて素肌が姿を見せる。

家康は舞の鎖骨に、熱い唇を押し当てた。


「ん…っ家、康……っ」


舞の口から、だんだんと甘い声が漏れ始めると。
心が駆り立てられて、さらに先へと望む。



「舞……」



肩を押して、そっと畳に身体を押し倒した。
顔の横で手首を固定し、舞の顔を伺うと……

頬をほんのり染めて、期待に満ちたように瞳が潤んでいた。



(くそっ、可愛い……)



「今すぐ舞が欲しいんだけど、駄目?」
「家康……」
「身体が火照ってて、収まらない」
「熱が、あるからでしょ……?」
「違う、舞が欲しいから、熱いんだ」



家康の翡翠のような瞳は、切なさを帯びて光っていた。
手も、触れる身体も熱く、それは家康がどれほど熱が高いかを物語っていたのに……

家康から求められる事に、舞は拒めなかった。

舞は小さく頷いて、家康を見つめる。



「私も、家康に触れて欲しい」
「うん」
「でも、無理しないでね」
「無理ってなに」
「だから……んんっ」


まだ何か言いたげの舞の唇を塞いだ。

指を絡め、はだけた裾から伸びる足も絡めていく。
舞の首筋からは、堪らなく甘い香りがした。


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