八つ葉の魔導書(グリモワール)【ブラッククローバー】
第5章 ページ5、喧嘩
だが…
きっと、おそらくまだ人の方が大切だろう。
自分のせいで大切な家族が死んだ、自分が殺したのも同じだと
そう考えているのがケイトだ。
だからこそ
自分の命や考え、感情などまでも塵芥のようにとらえる。
一見すれば冷静だが、実際はおそろしく自棄かつ寛大なだけだ。
自分をないがしろにして得られるものなど、たかが知れている。
それなどよりも遥かに
目の前の大切な存在と「共に過ごす時間」の方が、大きい。
そう思っていることを伝え
フエゴレオン「人のために耐えるのはいいが、殺すな!
私にでもいいから吐け!」
ケイト「はい!兄上!!」
フエゴレオン「自分のために、自由に生きてもいいのだと知れ!
お前に足りぬのは遠慮などではない!
遠慮なく自分という存在をぶつけられる豪胆さだ!!」
ケイト「はい!!」
フエゴレオン「自信をもって生きろ!
お前という存在に助けられている存在がここに居るのだと知れ!!」
ケイト「解りました!!」気を付け
フエゴレオン「……とはいえ、すまなかった」ぺこり
ケイト「へ?」きょとん
フエゴレオン「泣かせてしまった」
ケイト「それを言うならこっちも同じです!
殴り飛ばしてしまいましたし;」しょぼん
フエゴレオン「…ふっ。
なら、お互い様か」
ケイト「はい!
兄上は悪くありません!」
フエゴレオン「いや、自分にも非はある。
それから目を背ければ、それ以上成長できん。
だから繰り返さぬよう気を付ける」
ケイト「!!私も頑張ります!」敬礼
フエゴレオン「その意気だ(微笑)
私も努力が足らぬ」
ケイト「私など足元にも及びません!
兄上の考え、こうやって話すまで解ってませんでしたし!」
フエゴレオン「そうか…
なら、そのためにも言葉をかける必要が大いにあるという点は解ったな?」
ケイト「はい!!」
ケイトは指摘されたことは理由が分かればすぐ改め、繰り返すまいとする。
そのような向上心があるのは、大いにいいことなのだが
人のためと突っ走る傾向にある。
相手に考えが伝われば、争いの種にはならないと思うが…
やはり、心配だ。
(その行動全てに悪気がないのは解っているが)
一人考え込む私に「?」を浮かべるケイトに
その将来が気にかかった。