第5章 初戦闘
しばらく二人で何も会話をすることなく過ごしていくとだんだん太陽がいつもの位置まで上がってきていた。
「さて、ぼちぼち朝めしを作り始めますかね。おら、4番隊起きろ」
サッチさんは床で寝ていた隊員さんたちの頭を蹴飛ばして起こしていきます。
ざ、斬新な起こし方です…!!
皆さん頭を撫でながら起きて厨房に向かっていきました。
私も何かできることをしなくては!
まずは昨日のままになっている食器とかをもっていった方がいいですね。
持っていける分からコツコツと調理室に持っていきます。
「アリス!わざわざ持ってきてくれたのか?」
いち早く気付いてくれたサッチさんは私が持っていた食器をひょいっと持って行ってしまいました。
「アリスには悪いが寝坊助どもをおこしてきてくれないか?」
「わ、分かりました」
サッチさんに追われた通り私はまだ甲板で眠っている皆さんを起こしていきました。
隊長さんたち以外は私の人の姿を身近に見るのは滅多にないので起きたらびっくりしていました。
そしてここで問題が…
「ん~、アリス」
エースが寝ぼけて抱き着い来ています。
「エース、起きてください!」
「ぐ~…」
おまけに放れません。
これは困りました。
皆さんもう食堂に行ってしまって助けを求める人がいません。
誰か~!
助けてください!!
「アリスじゃねぇかよい。こんなところで何をしてんだ?」
なんと!
マルコさんが来てくれました!
マルコさんは私にくっついているエースをみてすぐに理解をしたようで。
「はぁ、ちょっと待ってろい」
マルコさんはエースを強制的に引っぺがしましたがエースは全く起きません。
「ったく、こいつは。おい、エースさっさと起きねぇと朝めし食いっぱぐれるよい!」
そうエースに言うと
「やべ!」
瞬く間に起きたエースは疾風のごとく食堂へ消えていきました。
私の努力は何だったんでしょう…。