第18章 I Love Red!
「キッド~っ!!」
ユースタス・キャプテン・キッドが船長である海賊団に、一人の少女がいる。
「はい、これ、あげるよ!」
綺麗でしょ、と言いながら、少女がキッドに差し出したのは、一輪の赤いチューリップ。
それを見たキッドの表情が、一気に不機嫌なものに変わる。
「…テメェ、ふざけてんのか?」
からかわれた事でもあるのだろうか、と察した少女は、慌てて否定する。
「ち、違う!私からのプレゼント!」
その言葉に、今度は怪訝そうな顔をしたキッド。
「あの、私の気持ちなの!受け取ってね!!」
少女は、チューリップをキッドに押し付けて走っていった。
「キキキ、キ、キラーっ!!!」
ばぁぁぁぁぁんっ!!
ととある部屋のドアを開けて、入ってきたのは、先ほどの少女。
頬をほんのりと染めた姿はとても可愛らしい。
「どうした」
「あのね、キッドに、チューリップを渡したの!」
「…あぁ、なるほど、花言葉は“愛の告白”だったな」
キラーの言葉に赤面するも、直ぐにその顔は曇ってしまった。
「でも、キッドには絶っっっ対に花言葉が分かるとは思えない。」
その言葉に、静かに肯定したキラー。
「違いない」
そして、他のクルーに呼ばれた少女は、部屋を出ていった。