第17章 ずっと一緒にいようね【野崎真由】
部員「まっ、真由…!」
真由「夏希は、俺の。」
真由は、私を引き寄せて抱き締めた。
部員「やっぱりダメ元だったか…」
そう言い残して部員は走り去っていった。
夏希「ま、真由ぅ…。」
私は、怖くて半泣きの状態だった。
真由「夏希は、俺の嫁だし。」
そこでピタリと私の動きが止まった。
夏希「今、なんて」
真由「え、夏希は、俺の嫁。」
二度聞いてやっと理解した。
夏希「真由覚えてたんだ…!あの約束!」
嬉しくて真由に飛び付く。
真由「うわっ…」
少しのうめき声が聞こえたが、それでもしっかりキャッチしてくれた。
夏希「あ…じゃあ、あの女の子は!?まさか二股!?」
私は、ふとあの女の子を思い出した。
二股する気なのかと心配した。
真由「あの女の子……?」
真由はキョトンとしている。
夏希「えぇ!?真由に、告白してた…」
真由「あぁ、あれは、練習だって。」
夏希「練習ぅ?」
間抜けた声が出た。
真由「そう。あの子、告白の練習で俺にしたらしい。」
夏希「な、なんだぁー…。」
体の力が一気に抜けた気分だった。
真由「だから、二股なんてしないから」
真由はそう言って抱き締めてくれた。
夏希「じゃあ、大人になったら結婚しようね。」
あの約束を塗り替えるように、
私は真由に軽いキスをした。
おしまい