第29章 ネコと呼ばれる人達
だって、私の中でのじっちゃはいつも優しくて遊んでくれて···
抱っこしてくれたり、おんぶしてくれたり、とにかく大好きで···いつも駆け寄ってはほっぺにチューって···あ、あれ?!
思い出せば思い出すほど、なんか恥ずかしい事がいっぱいなんだけど?!
ど、どうしよう?!
思い出すのやめたい!
繋「ほんっと、お前だけだったよなぁ。ウチのジジィにベッタベタに甘えてたのは」
やめてーーーー!!
熱くなる顔をタオルで隠し、その場に座り込む。
繋「どうだ、いろいろ思い出したか?ん?」
『烏養コーチ···それ以上はもう、やめてください』
隙間から覗いて言えば、繋心はフフンっと鼻を鳴らしながらドヤ顔を見せていた。
慧「よぅよぅ、あんまし紡に構いすぎると容赦しねぇって桜太が言ってんぜ?」
桜「え?俺が?···子供じゃないんだから、そんな事しないって。俺達もう、オトナだからね···烏養?」
繋「···程々に構わせてイタダキマス」
ケラケラと笑う慧太にぃと、小さくなる繋心の図がおかしくて、タオルで顔を隠したままコッソリ笑った。
桜「まぁ、ひとつだけアドバイスするなら···烏養?慧太は今でも自由人ってコトだよ?···気をつけてね?」
桜太にぃ···その微笑みが怖いのをご存じでしょうか。
繋「さ、さぁてと!お前ら準備出来たか?!ゲームの続き始めんぞ!!」
無理やり会話を切るように繋心が叫ぶ。
そして、やっぱり···
繋心はズボンから手を離さないままで主審の位置に歩いて行った。