第1章 季節外れの転校生
ふふふ、さすが俺。
こういう声は、何度聞いても気持ちが良い。
先生に促され、窓側の一番後ろの席についた。
「かっこいい!!」
「きゃあ!私の隣来てー!」
「イケメン!」
「王子様みたーい」
そうだろ、そうだろ、王子様みたいだろ。
顔に出ないように冷静を装いながら、
女の子たちの声を聴く。
先生が教室を出ていくと、
女の子たちが周りをしっかりと囲んできた。
「結城君っ、どこから転校してきたのー?」
「清玲って珍しい名前だね~」
「結城君、学校案内してあげるよ~」
「清玲君って呼んでいい?」
『一応、同じ都内からだよ』
『そうだね。父さんが付けてくれたんだ』
『本当?じゃあ、みんなにお願いしようかな?』
『うん。好きに呼んでいいよ。』
女の子たちの質問に1つ1つその子の目を見て優しく答えていく。
女の子たちの目は、どんどんとろけるようになっていく。
ここまでくれば、もう俺に惚れたも同然。
はぁ、つい口元がつい緩んでしまう。
やっぱり女の子っていいなー。
いい匂いだし、可愛いし。
あ、そう言えば、
あの黒髪ロングの女の子がいないな・・・
そう思い、教室を見回すと、
あ、いた・・・
案外近くにいた。
一緒にちっこい男の子と、
こげ茶に近い色のミディアムヘアの女の子と一緒に話をしている。
あ、やっぱ、黒髪ちゃん可愛い。
そんなことを思っていると、
チラチラこちらを見ながら話しているのに気づいた。
・・・ん?
なんか女の子2人で何か話してる・・・
「・・・・爆裂ハンサムボーイ君・・・・・」
ん?何か聞こえたぞ?