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第2章 明くる日


‐赤葦side‐

木兎さんのしょぼくれモードを知っている。
立ち直らせ方も。
それに不信感は無かった。

昨日は知らないフリをしたけれど、本当は彼女を知っていたから。

木兎さん達がいた、あの頃のバレー部の‘ある人’と関わっていた事を。

そして、その人の為に重大な選択をした彼女をずっと追っていた。

この家に、りらが住むようになったのは仕組んだ訳じゃない。
だけど、水面下でずっと動いていたんだよ。

りらの親戚のきとりさん。
きとりさんと、音駒高校で先輩後輩だった黒尾さん。
黒尾さんと、同じ大学に入った木兎さん。

その情報をかき集めて、たまに口出しする事で手に入れた、親戚の家の住人という立場。
簡単に崩す訳にはいかないから、今は深く突っ込まないでおこう。

あぁ、でも‘あの人’がまだ彼女の心にいたら厄介だ。
それだけは、何かのついでに確かめようか。

今現在は、面倒臭いしょぼくれモードの先輩を立ち直らせて。
さっさと2人きりにさせて貰いましょうか。

手伝いついででも、会話をする機会があれば聞き出す自信はあるのだから。

彼女が片付けとやらで俺を遠ざけて、目論見が外れてしまう事を、この時の俺は知らず。
早く、木兎さんにどこかへ行って欲しかった。
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