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第29章 ○○のような存在(黒尾エンディング)


その夜、そのままリビングで狼に食べられてしまった。
拒否が出来ないからじゃなくて、自分もそうなりたかったから受け入れた訳だけど。

私達のお付き合いには、1つの障害がある事に気付いた。
この人、親戚の元カレでした。
気まずくて仕方がない。

かと言って、隠す訳にもいかず、電話で報告をした。

『あー…やっと、か。』
「やっと、って?」
『やっと、付き合ったかって意味。』
「…は?」
『アンタ、分かりやすいよ。たまにしか電話してないけど、その度に黒尾さんが、黒尾さんがってクロの話ばっかしてたら、ね。』

一番先に気付いていたのは、その親戚でしたってオチのお話。



まぁ、あの感じで軽く私達の関係を受け止めてくれたから、気兼ねなくお付き合いする事が出来た。

…筈、だったんだけど。

「りらちゃーんっ!」

相変わらず、家に木兎さんはご飯を食べに来るし、抱き付いたりも当たり前にしてくる。

「木兎、今は俺の女だ。触んな。」

まぁ、黒尾さんのいる日にしか来ないので、分かってやっている感はある。

「今は、と言う事はいつかは黒尾さんのものじゃなくなりますよね?そうしたら慰めてあげるから、俺の所においで。」

赤葦さんも、相変わらずである。
この人は、半分くらい本気で言っているだろうけど。

「赤葦!揚げ足取んな!りらも、そんなヤツの話聞くんじゃねぇ!」

木兎さんと同じく、黒尾さんの前でしかやらない分、考えてはくれているようだ。

「りら、お前は警戒心を少しは持って。頼むから。」
「無理ですね。木兎さんも赤葦さんも、本気で手を出さないの、分かってますから。」

頼まれても、私自身がその2人との関係も壊したくなくて、この調子だ。

私達のお付き合いは(黒尾さんだけ)前途多難でした。








黒尾エンディング‐end.‐
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