第15章 ガーネット
「好きに…なっちゃったんだね」
「…ああ…多分、そうだと思う…」
「そっか…」
ビールを飲み干すと、テーブルに空き缶を乗せた。
カツンと音を立てて倒れて、缶は転がっていった。
「ずるいね…翔くんも大野さんも…」
「え…?」
「そんな駆け引きなんかしてないで…ぶつかればいいのに…」
「ばかおまえ…そんなことしたら…」
「わかるよ。わかってる…気まずくなったら、仕事できなくなるんじゃないかとか…そう思うよね」
考えないでいられるわけがない。
現に、去年一年そういうことの連続だった。
いざこざを起こして解散したグループがどうなるのか。
メンバーの抜けたグループがどうなるのか。
まざまざと目の前でみせつけられたんだから。
「そういうのを保身っていうんだ」
「悪いかよ…お互い、いい大人なんだから…」
「でもさ…俺たちの20何年ってさ…」
「え?」
「嵐は結成して18年だけど…俺たちが出会ってから、今まで積み上げた物ってさ」
「…なんだよ」
潤が俺をまっすぐに見上げた。
「そんな小狡いことで、誤魔化せるもんなの?」
「え?」
「駆け引きだなんだ、手を使って…それで手に入れて、いいものなの?」