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カラフルⅣ【気象系BL小説】

第6章 ショコラ scene4


縁側の障子戸を開けると、母屋が見える。

時折、楽しそうな弟の笑い声が聞こえる。

「おたあさま、おたあさま」
「あらあら…こちらへもそっといらっしゃい」

あれは、母の声だ

久しく…聞いていない声

「うっ…」

また、喉の奥から熱い塊が込み上がってくる。
焼け付くような痛みを伴ってる。

「ぐっ…う…」

苦しくて苦しくて、その場に思わず蹲る。

「た…たれかおらんか…」

声をかけても、この離れには俺以外はいない。

そう…誰もいない

俺の傍には誰も居ない

そばに来るのは、下女と消毒薬臭い白衣を纏った老医師。
そして…

ちりんちりん…

「なぁん…」

猫の白だけ

「し…ろ…」

白の目が太陽の光を反射してきらりと光る。

「おいで…?こちらへおいで…」

白は蹲る俺の傍に来ると、膝に頭をこすりつけて俺を見上げる。

苦しいのが少し収まると、白を抱き上げた。

「ああ…温かい…」

まるで温石のように、白は温かかった。

「白…ここにおったら、病気が感染ってしまうえ…?」

腕の中の温かい塊は、それでも動かない。

ころころと喉を鳴らして、額を俺の胸に擦りつけた。

「おまえだけや…おまえだけ…」

白い塊に頬をこすりつけると、またひとつ幸せそうな声で鳴いた。

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