第5章 守るべきものは……?
すばるside
"一人で何でも決めんといて…?
俺と一緒に………"
そんな丸の言葉が聞こえた瞬間
あんは辛そうな顔を俺に向けると
"ごめんね…?"
そう俺にだけ聞こえるように囁いて
俺の唇に唇を重ねた……
触れた唇から…
痛いほどあんの気持ちが流れ込んできて
苦しくて息が詰まりそうになりながら
ただ黙ってあんのキスを受け入れ
その体を抱きしめた…
丸が出ていったあと
必死に堪えていた涙を
ポタポタと膝の上に落とすあんを…
「ホントにお前は
救いようがないほどあほやな……
丸にお前を諦めさせるために
自分悪もんにして…
俺にキスまでして…
ひどい女やな………?」
そう言って抱きしめると…
あんは俺の背中に腕を回し
苦しそうに嗚咽を漏らす…
「す…ばる…くん……
ごめん……ね…?…ごめん…なさ…い」
俺の胸に顔を押し付けながら
"ごめん"の言葉を繰り返すあんに俺は
"もう黙れ…"
そう言って
涙で濡れたあんの唇を
キスで塞いだ…………