第5章 守るべきものは……?
部屋の中に入ってからも…
俺の隣じゃなく
すばるくんの隣で
小さくなって座るあんの姿に
なんだか胸がチクチク傷んで
「俺……待って欲しいって…
言うたよね…?
かなとも別れるって…
これって…どういうことなん………?
俺じゃなく…
すばるくんを選んだ…って
ことなん………?」
二人の顔も見ず
下を向いたままそう問いかけると…
「やから…それはちゃうって………」
「すばるくん…
私からちゃんと説明しますから…」
そう言って
すばるくんの言葉を遮ったあと
顔をあげた俺に
まっすぐな視線を向け
あんはゆっくりと言葉を続ける…
「ごめんなさい…丸山さん……
かなさんとのことも…
丸山さんとのことも…
私もう全てが嫌になったんです…………」