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罪と罰【終わりのセラフ】

第21章 囚われの天使




だから追求はせずに周囲を確認する。


「まだ時間かかるの?」

フェリド
「いいや、もう着くよ」


今、車は森を走っていた。
もうすぐで着くのなら目的地は隠れるように立っている前方の屋敷しかない。
こんな所でしているなんて余程後ろ暗い研究なのだろう。

前の車が屋敷の敷地内へと入って行き、続くようにこの車も門を通る。


「………」


敷地内にはたくさんの大きな家屋があった。
こんな森の中で和風の家屋があちこちに建っている。
そんな見慣れない光景に、少し不気味さを感じた。


フェリド
「とうちゃーく」


車が停止すると、さっさと降りるフェリド。
そして私達を待つ事なくさっさとグレン隊の方へと歩いて行く。


クローリー
「ふぅ…ずっと運転するのは疲れるね」

「お疲れさま」


さすがに2時間も運転し続けるのは吸血鬼でも疲れるみたいだ。


「フェリドも変わればいいのに」

クローリー
「この前は運転してくれたんだけどね〜」


この前とは何の話か少し気にはなったが、そこで話を止めて私達もグレン達の元へ向かう。


「………」


その途中、車の中で横たわっている優ちゃんの横を通り過ぎた。


ミカ
「優ちゃんは僕が運ぶ」

シノア
「はい、任せました」


そんな会話が聞こえてきたが、私は敢えて何も言わない。
不信感を募らせている今はあまり関わりたくないからだ。
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