第19章 蘇生
お兄ちゃんのお陰で落ち着いた私は、先程の鳴海の話を振り返る。
グレンは仲間を蘇生する事と引き換えに世界を壊した張本人だった。
だが、そこまでして生き返らせた仲間達は後2年で死んでしまう。
こう整理してみると、疑問が出てきた。
グレン
「………」
「ねぇ、グレン」
未だに口を開かないグレンに痺れを切らし声をかける。
「あなたが深夜達を蘇生させたから世界は滅亡した。でもそれをしていなかったら世界は今どうなってる?」
グレン
「…言い訳はしない」
この答えは何を意味するのだろうか。
言い訳をしないという事は、単純に考えれば結局は滅亡があったとなる。
鳴海
「なんだ、結局滅亡はあったのか」
グレン
「………」
鳴海
「なら中佐が責を負う必要は無い」
優一郎
「!」
間に入ってきた鳴海の責を負う必要は無いという発言に、優ちゃんは分かりやすく喜んでいた。
でもグレンが責任を感じなくていい訳がない。
「それは違うよ」
優一郎
「…アリス」
「確かにグレンがしなくても結局は滅亡していたかもしれない。でも彼じゃなかったらフェリドと手を組む事が無いから優ちゃんは逃げれてないし、私とミカは吸血鬼にならなかった可能性の方が高い」
フェリドが手を組む相手を選ばない訳がない。
グレンだからこそフェリドは手を組んだ。