第4章 出会い【ユウ】
フロワ「…うん(微笑&頷)
それだけで十分だよ、きっと。
僕ら元帥だけじゃ、どう考えても人手不足だからねえ。
徐々にならして、回復させていくしかない。
その傷付いた心は、傷は…
治り切るまで時間はかかるだろうけれど……
心理で言う所の「逃避行動」を
やりたいことだけに目を向け続けることで、彼女は精神を守り続けている。
あの子も、戦っているんだよ。
押しつぶされそうになる闇とね」
神田「はっ」
笑いが込み上げてきた。
フロワ「ん?」
神田「負けてられるかよ。
あんなバカに(微笑」
それと同時に込み上げてきたのは…
ただの負けん気だった。
負けるのは嫌いだったからな。
フロワ「くす)…
じゃあ、そろそろ寝ようか。
悪かったね。
君も辛かったろうに;(ぼろぼろ」ハンカチ片手
神田「うっとおしいんだよ、そういうのが」ぎろっ
フロワ「けーちゃんの時は許してたくせにねえ」
神田「………
あいつは…別だ」
あいつの眼は…
心から、心配している眼だった。
気の毒そうに見ているんじゃない。
同情して、見ているんじゃない。
ただ…
相手の心に寄り添って、大切にしようとする深い慈しみがあった。
痛みが解るからか
辛い思いをしてきたからか…
定かじゃないが、そういった『別の眼』だった。
そしてそれが…
どこか、心地よかった。
笑いかけてくる眼も、愛情を真っ直ぐに向けてくる態度も…
だから……
神田「…放っとけるか」
元帥が立ち去ってから、俺は一人で呟いた。
同じ痛みを知っている分…
余計に、そう思ったんだ――