第49章 西谷/剥けてない!
「何故俺はモテない!!」
「…知らないよ」
中学1年の頃、
こんな会話をしていた、
私よりチビのツンツンヘアー。
高校2年になった今の私達の
会話はこうだ。
「何故俺は名前に
モテない!!!」
「なにそれ?」
「俺の事 飽きてる?!」
「飽きるわけないでしょ」
あ、晴れて付き合うことになりまして、
さて、ここで議題をだそう。
『西谷夕がうるさい件について』
最近構って挙げられてなかったのが
仇となった。
そんなにうるさくしつこいと、
いつも無心の私でさえ、少し
揺らぐものがある。
(とにかくうるさいな)
私の周りで飛び跳ねる160cm…
あ、160.5cm。
ちなみに私は161cm、私の勝ちだ。
「なぁ!構えよ!!」
「いいよ、構ったげる」
「え、いいの!?」
パァッ、と輝かせる目が真っ直ぐに
私を見つめる。
どうせザリガニ捕りとかだと
思って、彼氏様の後を追うと
見慣れた家に着いた。
「え、ノヤん家?」
「おう!上がれよー!」
靴を蹴り飛ばし、中へ入る。
蹴り飛ばされた靴を直しつつ、
私も入室。
「で?何がしたいわけ?」
「せっくす!!!」
…うっわぁ。
え?いやいやいや、嫌じゃないけどさ?
うん…まぁ そんな満面の笑みで
いわれても…ねぇ?
「てか、私等がやってるアレは
せっくすっいうの?」
「とにかくしたい!!
名前攻めでいいから したい!!!」
駄々をこねたらずっと
こね続けるから、折れる事にした。
*
「ノヤ…あのさ」
「ん…んぁ?ああ なに?」
「こんな所弄りながら申し訳ないけど…
…ちっちゃくない?」
「んなっ?!?!」
私が弄っているところ、
ちん…ブツである。
「お…俺のが?小さい?」
「んー…大きくはないよね〜
まだ剥けてないし」
この際もう剥いてしまおうか。
まじまじ見つめる私の顔を
恥ずかしそうに、抑える。
「そんなみんなっつの!
っつーか…小さいって
失礼だろ!!!」
「ごめんごめん、その代わり
これ剥いたげるよ♪」
へ…、と青ざめたノヤに
満面の笑みを送った。