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【ONE PIECE】 海の娘 ウミノコ

第6章 シャボンディ諸島





俺の腕の中で驚きの色を見せる碧い瞳の女。

間違い、じゃねぇはず。
人目を引く、碧い瞳を持つ人間はこの世でアイツしかいない。

だが、この女は・・・

「・・・悪りぃ、間違った」

『・・・・・はぁ!!!?』

一気に額に皺を寄せる女。

「船長ッッ!!?」

青ざめた表情を見せるコイツらの気持ちはわかる。
焦った結果がこれだ。

「・・コイツを人質に使う、船に乗れ」

『ちょ、ちょっと!!
冗談は止めてよッ!降ろしてぇぇ!!』

ジタバタ暴れる女を肩に担ぎ直し、俺はタラップを登る。

クソッ!何故間違った!!
よりによって、海軍将校だ。

『っっう!降ろしてよーっ!!
さっさと降ろさないと知らないわよッ!』

マントを羽織っているのならそれなりの力の持ち主だろうが、どう見てもか弱すぎる。

「・・何をする気だ」

大きく息を吸ったかと思ったら、甲板の上で女は叫んだ。

『ダイギーーンっっ!!
黄猿のおじさまーーーァッッ!!!』

「馬鹿ッ!止めろッ!!」

思わずその口を塞ぐ。
黄猿なんて呼ばれたら堪ったもんじゃねぇ。

「少将ッッ!!どうしてそこにいるんですかッッ!」

「チッ・・・」

女の叫びに1隻の艦船から声が返ってくる。

『モゴモゴモゴッッ!!』

「黙ってろ!ちゃんと解放する。
シャチ!潜水の用意は?!」

「で、出来てますッ!」

『モゴモゴっはーぁ!
苦しくて死んじゃうじゃんッ!!馬鹿なの?!』

俺の手を振り払い肩で息を吐く女。
俺に面と向かって、馬鹿と罵るヤツは今まだいなかった。
唖然とする俺にコイツは、また叫ぶ。

『ダイギーーンッ!目標ここッ!!大砲点火準備!!』

おいおい、お前が乗ってるのに打つわけ・・

『撃ち尽くせッ!発射ッッッ!!』

女の言葉と同時に戦艦から炎が飛び出る。

「嘘だろ?!」
「撃ってきたッッ!!」

波飛沫と共に激しく揺れる船。
迷いもなく女の指示通りに次々と飛んでくる砲弾。

『黄猿のおじさまーーッ!!
誘拐されるぅぅぅぅ!助けてーーーぇっ!!』

「おや?可愛い子の叫びが聞こえたと思ったら、うちの子じゃないの〜?
確か、トラファルガー・ロー。
誰に手を出したかわかってるのかい〜?」

『おじさまッ!!』

本当に現れやがった!
閃光を発し、突如として現れたのは、海軍大将黄猿。




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