白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第32章 華は蝶を蝶は華を想い過ぎて…
『クロ…!?』
「姫凪、ごめん。
泣かせて…ごめんな…」
『へ、平気だから…!
離れて…!心臓が!!』
「心臓が?」
顎を跳ね上げて潤む目を見つめると
『と、止まる…!』
記憶にある、いつかの姫凪の顔
「姫凪、お前…」
まさか、俺の事…?
『待って!クロ…離れて!
話せなくなる!』
グイッと押し返された胸
俺を見る姫凪の顔は
さっきの顔とは打って変わって
切羽詰まってて
明らかに苦しそうだった
もしかして姫凪が
俺を好きとか思ったけど
…まさか、だよな