白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第32章 華は蝶を蝶は華を想い過ぎて…
ヒリヒリする沈黙が痛い
やっぱり来なきゃ良かったか?
「姫凪…」
ゴメン
堂々巡りから抜け出せなくて
傷付けたくなくて離れたくせに
まだ俺は
お前を巻き込んで振り回してんな
『クロ…私…』
あぁ…言うな…
次の言葉が否定でも肯定でも
理解でも反発でも
何を言われても泣きそうだ…
何か紡ぐ前にその唇を…
そんな想いが過り
腕に込めた力が
「姫凪、また泣いてるの?
ってゆっかクロ居るのに
呼び出すとか、どうしたの?
いやがらせ?」
研磨の声でフワリと緩んだ