白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第28章 華の祈り
ガチャリと玄関の開く音がして
見慣れた長い髪が目に飛び込んで来る
「おう、オハヨ姫凪」
絞り出した声に
『あ…クロ…おはよう…
…お待たせ』
合った目が揺れて
静かに下を向く
バァカ。
俯かなくて良い
「なに照れてンですかァ?
あんま可愛い事してっと
食っちまうぞー?」
笑って?姫凪。
木兎みたいに
照らしてやれないから
赤葦みたいに
素で居させてやれないから
研磨みたいに
支えてやれないから
せめて苦しめない様に
昔みたいに笑うから
ほら、笑って?