With Live Planet _この星で生きる_
第11章 愛は狂気に、憎しみは殺意に
私は先ほどのワンとの一件は特に気にもせず、眠りについた。
でもまさかこんな事になるとは思ってもみなかった。
ガブリエルさんが隣で寝てる、そんな朝を迎えて私は起きた。
彼を起こし、軍服に着替えて食堂へ向かう。
「おはようございます、ウリさん、ミカさん、ラーファさん、ワン、トュー」
挨拶を終えたら席に着いて、朝ごはんを食べる。
「あ、ウリさん!弾を補充したいので、備品庫へ行く為のサインお願いします」
私が書類とペンを差し出すとウリさんは一瞬だけ嫌な顔を見せて、黙ってそれを受け取る。
あれ…?怒ってる、よね?
なにしちゃったかな、と思いつつ書き終わったようなので受け取るために手を出したが、それは私の手に戻らずにテーブルの上に置かれてしまった。
「ウリ?どうしたの?」
他の人もウリさんのいつもと違う態度に困惑しているようだ。
「…なんでもありませんよ、別に」
そう言って黙々とご飯を食べている。
「ぁ、えっと…ウリさん、ごめんなさい。私怒らせちゃいました?」
何かしたなら謝らなきゃ、そう思い私が謝ると「チッ」と舌打ちをされる。
「ー気分が悪いので、先戻ります」
そう言って、席を立って行ってしまった。
「どうしよう…私なにしちゃったんだろ」
「落ち着け、アテラス。大丈夫だ」
落ち着けと呼ばれても落ち着けない。
あんなに怒っているウリさんは初めて見た。
「俺らがなんで怒ってるか聞くから、とにかく今は食え」
私たちはまた食事を始めたが、感じたことのないほど重たかった。
私も早々に食事を切り上げ、訓練の準備をする。
幸いにも今日の訓練はウリさんとではないので気まずくはない。
他の人たちは何度も「大丈夫だから」「落ち着いて」と言ってくれたりするし、ウリさんに理由を聞いてくれてる。
大丈夫、きっと仲直りできる。
私は何度も自分にそう言い聞かせた。