• テキストサイズ

【ONE PIECE】ひとつなぎの物語

第2章 ある娼婦と海賊のはなし ~ゾロ編~




思いもかけないクレイオの決断に、誰もが言葉を失う。
両親や弟が安眠の場所を得た今、きっとクレイオはこの船に乗る・・・そう思っていた。


「わかった。でも、これだけは忘れるな」


真っ赤なベストの裾を潮風に靡かせ、ルフィが腕組みをしながらニッと笑う。


「お前がもし、病気になった時はチョッパーがいる」


全ての病気を治す“万能薬”になると胸に誓ったチョッパー。


「お前がもし、寂しい時はウソップがいる」


ウソつきだが、ルフィと同じように少年の心を持つウソップ。


「お前がもし、腹減って死にそうな時はサンジがいる」


その手料理で人に命の源を与えるサンジ。


「お前がもし、どうしていいか分かんなくなった時はロビンがいる」


聡明で博識な考古学者ロビン。


「おれ達が海のどこにいてもよ! ナミが必ず船をこの島に辿り着かせてくれる」


情に厚い、天才航海士のナミ。


「そんで、またお前のことを泣かせる奴がいたら、ゾロがぶっとばすから大丈夫だ!」


ルフィは麦わら帽子に手をあてながら、大きな笑顔を見せた。


「お前はおれの友達だからな! お前がおれ達に助けを求めれば、必ず駆けつける」


これがゾロの仲間、麦わらの海賊団。
クレイオは溢れる涙を抑えることができなかった。


「お前、なに泣いてんだよ。変なやつだな~」


ルフィはしししと笑うと、何かを思い出したようにズボンのポケットの中をまさぐった。
そして、黒いものをクレイオの肩に乗せる。

「これ、昨日見つけたんだ! 特別にやるよ!」

それは、大きなカブトムシだった。

ナミが、“そんなもんあげてどうすんのよ”と言ったが、クレイオにとってはとても嬉しいプレゼント。


「・・・ありがとう」


本当に・・・ルフィと一緒にいたら、どんな悩みも小さなことのように思えそう。

ゾロが信頼を寄せているのも分かる。





/ 1059ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp