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花言葉を君に 【ONE PIECE】 現パロ

第7章 WHITE CLOVER




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「お前、余計な事しただろ?」

紫煙が上がる室内に不機嫌な声が響き渡る。
葉巻の匂いに負けじとみずみずしい花々の香りが私の鼻腔をくすぐった。

『・・月曜の昼食は、コブラ様との会食のご予定でしたので朝キャンセルの連絡をしましたところ、とてもご心配になられて』

「あのお喋りジジィがッ!!」


次から次へとお見舞い客やお見舞い品が届いたのだろう。
夕方のこの時間で既に部屋の中は花やフルーツの籠。


『1週間の入院と一応口止めもしましたが・・無駄でしたね』


人の噂とは早いものだ。
放っておくと2〜3日後には、足の踏み場もない可能性が出てくる。


「そうだ、、ここで受け取れ」

そう言って社長は1枚の紙を渡した。
そこには、住所と日時が書かれていた。

『これは?』

「約束のドレスそこに置いたあるから全て受け取れ」

『えっ?本当に用意してくれたんですか?!』

「当たり前だ」

『ありがとうございます』

どんなドレスだろう?とワクワクしつつも
全て?と、社長の言葉に疑問を抱いた。



『あっ、社長!この書類のご確認よろしくお願いいたします。
私は、お見舞い品の引き取りを電話で業者に頼みますので』

そう言って書類の束を社長に手渡し、私は院内携帯電話禁止のため足早に庭園へ向かった。








中3階に広々とした屋外庭園。
夕方のこの時間では、散歩する人も疎らで電話を掛けても迷惑にはならない。

手短に用件を伝え、私はトラックの手配を完了した。
軽トラックで事は済むだろうが、これからまた増えるお見舞い品をどこに片付けるかが悩みどころ。

ティールームはもういっぱいだし・・
各部署に置くか、社員に持って帰ってもらうか・・・

あっ、お返しのリストアップを秘書に頼まなきゃ・・

社長が入院となれば、細々とした仕事が増える。
庭園に設置された椅子に座り私は、手帳に書き込む。


ふと、花壇の隅で蹲る小さな背中を見つけた。
パジャマと思える薄ピンク生地に可愛らしいクマの絵。
入院患者だと気付いた私は、慌てて近付いた。


『・・・えっ?』

具合が悪くなり、蹲っていたのかと思ったが女の子は花壇を凝視して一心不乱に何かを探していた。




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