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花言葉を君に 【ONE PIECE】 現パロ

第25章 NIGELLA





“今度の土曜迎えを寄越す”

あの夜、店を後にする私に告げられた一言。

予定も聞かず、一方的に決められた約束。
何時頃かさえ知らない。

一生懸命仕事を終わらせ、朝から準備万端で迎えを待っていた。
時間ぐらい聞けば良かったと後悔したのは、時計が夜7時を指した時だった。

部屋を空けるわけにもいかず、ただぼーっと待っていた。
朝食べて以来、食事もしていない。

その間、いろいろ考えた。


『何で来ないのよ・・』

ドタキャンは主義じゃなかったの?!
待ちぼうけくらってる身にもなれッ!!

『っうか、何で私は律儀に待ってるんだろう・・』

ポッンと呟いた言葉が誰もいない部屋に響く。

あっ、何か泣けそう・・

そう、思った瞬間
ーピンポーンー

インターホンが鳴った。

・・・くそーーーぉっ!!

苛立った私は、インターホンを無視して部屋から出る。
文句は直接言ってやる!と、意気込んでエレベーターに飛び乗った。


曇りガラスの向こうに人影が見える。
私はオートロックの自動ドアの前に立ち、開いた途端言い放った。

『遅い!
何時かぐらいちゃんと言ってよッッ!!
どれだけ待ったと思ってッーーーえっ?えっ!?』

「・・・いました。
はい、でも凄くキレてます」

立っていたのは携帯を耳に当てて話しているゾロ。

そう言えば、ドフラミンゴは迎えを寄越すと言っていた。
自らは来ないはず。
だけど、こんなに遅くなったのだから来るならドフラミンゴだと決め付けていた。
しかし、来たのはゾロだった。

『な、何で?』

「オーナーからの指示だ。車に乗れ」

逃げ出すわけにもいかず、私は言われるがまま車に乗り込んだ。
ツードアのスポーツカー。
助手席にしか座れない。

気まずい と、困惑する私にゾロが喋り出した。

「オーナーと付き合ってるのか?」

『えっ?ううん、付き合ってない!』

前を見据えたまま話すゾロに私は首を横に振る。

こんな頻繁に会ってたらそう思われても仕方ないとは思うが複雑だ。

「・・そうか」

ホッとしたため息が聞こえた気がした。

えっ・・?
ゾロ・・・?




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