第24章 CHINESE MILK VETCH
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『どうして私を呼んだの?!』
「飯美味かったろ?」
食事会が終わり、ドフラミンゴが運転するハマーで私達は出掛けていた。
『・・え?うん・・・』
実際は味なんてわからない。
緊張で喉を通らなかった。
「美味いもん食えて良かったじゃねぇか」
え、よくない。
断じて良くない!
ゾロがいたのだ。
別れてそれほど月日が流れたわけじゃない。
まだ、最近の出来事。
記憶が新し過ぎて懐かしいって思う暇もないほど最近の事だ。
けど、久しぶりに見たゾロ。
相変わらずそうで安心した。
話どころか視線さえ合わなかった。
私は、会えて嬉しい気持ちと気まずい気持ちでごちゃ混ぜだった。
「おい、いつまで百面相する気だ」
着いたぞとの言葉で車から降りるとそこには、クルーザーが停まっていた。
『・・これって』
「俺の。早く来い」
戸惑う私を置いて、ドフラミンゴはクルーザーに乗り込んで行く。
『あのお金をパーっと使うんじゃなかったの?!』
「これの油代にパーっと使ったんだよ」
ドフラミンゴの後をついて行くと、そこは操作席。
手早くクルーザーを動かし始める。
クルーザーは、たちまち港を離れ大海原へ乗り出した。
『すごーーーいッッ!!』
波は穏やかで、潮風がとても心地良い。
太陽の日差しが海面を照らし、キラキラと輝いている。
『ドフラミンゴさんって大きい乗り物凄く似合うよね』
「フッ、そうか?」
似合う似合うと、笑う私にドフラミンゴは愉しげに笑ってくれた。
暫く走った後、エンジンを止めたドフラミンゴは私を船内に案内した。
広々とした船内には、ディナーが用意されていた。
『凄いッ!!
でも、お金足りなかったでしょ?』
クルーザーの燃料代がいくらするかは知らない。
だけど、豪華なこの料理まで賄えるとは思えなかった。
「お姫さんの失恋パーティーだから奮発した、楽しめ」
失恋パーティー、間違ってはないけど・・
お料理用意してくれたのも感謝するけど・・
でも・・
『・・それ、嬉しくないんだけど』
そう言うと、ドフラミンゴは愉快げに笑い声を上げる。
こうなったらやけ食いしてやる!
と、意気込んで私は料理に手を付けた。
昼間は、緊張し過ぎてまともに食べてない。
美味しそうな料理に目移りしてしまう。
