第17章 LAVENDER
『ビビ、私・・話したい事あるって言ったよね?』
「ここで話せば問題ないよ」
ワイワイと騒がしい店内。
客は誰も私達に関心は無い。
『・・相談したい事でもあったんだけど・・・』
「相談乗って貰えて一石二鳥でしょ」
テーブルに付くのはゾロとエース。
一石二鳥なのはビビだけだと思う・・。
「その前にさッ!
お前、オーナーと付き合ってるのか!?」
ストレートに聞いてくるエースに私は、口に含んだ酒を吹き出すところだった。
『違ッ!付き合ってない!!』
「へーっ、だってよ!ゾロッ!」
「『!!』」
お願いだからゾロに話を振らないで・・!
「じゃ、付き合ってない男とのキスシーンを世界中に発信したんだね〜」
あれ、真似じゃなくてリアルでしょ?と、ニヤニヤ笑うビビ。
揶揄われているがそれより何より聞き捨てならない言葉が・・
『ビビ、せ、世界中って・・何?』
「あのポスター世界中に貼られてるって噂だよ。
実際、私が初めて見たのはエジプトだったよ」
もう、笑うしかない。
てか、乾いた笑いしか出てこない。
「それでお前の話したい事って何だ?」
話を戻してくれたゾロに感謝はするが、出来れば忘れていてほしかった。
まさか、ゾロの前で呑気に話すべき事では無い事ぐらい私だってわかってる。
だけど、ゾロの視線が痛い。
私は、とりあえず始めの事の成り行きを話す事にした。