第14章 月の光*黒子
茶倉さんは一軍のマネージャーになってからも、ボクのところへ来てくれた。
嬉しさと同時に、申し訳なく思ってしまっていた。
「茶倉さん。一軍のほうはいいんですか?」
ある時思い切って聞いてみた。
「あ、うん、まあ大丈夫…」
目をそらしたのをボクは見逃さなかった。
「茶倉さん。ボクよりも一軍を優先してくれていいんですよ。」
「でも!…でも手伝うって約束したから…」
(…!)
まさかあの時のことをそんなに深く思っているなんて…
ボクは思わず茶倉さんをギュッと抱きしめていた。
「自主練は1人でやります。」
「!?なんで…?」
「その代わり約束します。…必ず一軍に行くと。」
「…!…うん、わかった。待ってる…!」
二つの約束。
ボクは一軍への昇格の決意を新たにした。