第21章 ※恋は桃色 トド松
一軍もどきヤローが手を挙げて主ちゃんにコーヒーのおかわりを頼んでいる。
(そうやって、主ちゃんと無理やり接点作っちゃってさ!さっきからコーヒー何杯飲んでんの!?どんだけ利尿作用増幅させたいの!?頼むからカフェイン中毒でどうにかなれ!!なってくださいお願いします赤塚センセーー!!!!)
睨みつけながらアイスカフェオレをちゅうっと吸った。
すると今度は、主ちゃんが奴のノーパソを覗き込み話しかける。
「いつもパソコン見てますよね。お仕事ですか?」
ふふっ…ふふふふ…。よく聞いた主ちゃん!
一軍もどきヤローの化けの皮が…
「ええ、仕事です。家よりもクライアント先や外で作業する事が多いんですよ。その方が集中出来るので。外の場合はスタバァを使っていたんですけど、最近ここのランチが気に入ってしまって…」
「ありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しいです!では、ごゆっくりどうぞ!」
剥がれなかったーーーー!!!!
むしろ一軍確定しやがったーーーー!!!!
ボクはタルトに顔を突っ伏した。
「トッティー!?」
「あー、桃の香りが…おいしーなー。顔全体で食べられて——ボク、シアワセ…」
十四松兄さんが心配そうにボクを見ている。
平気だよ兄さん。今はただ、桃のタルトに溺れたい…そんな気分なだけだから…。
だから、心配しないで…。
—ポンッ—
「!?」
不意に肩を誰かに叩かれた。