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私の敵はヒーロー

第5章 雄英、調査期間


「……手短な距離にいた…からではないのですか? 私はワープ能力を持ったヴィランによって相澤先生が戦闘している真っ只中にひとり戻されました。生徒である私を人質として確保しておけば、後々役に立つという考えで……」

「しかし、君はヴィラン連合軍の下っ端とはいえ、数10人の個性もちを拘束した…違うかね?」

………そこに持ってくるか。私は静かに頷いた。

「そうするしか他にないと思いました。相澤先生は敵の要と戦闘中でしたし、もし仮に先生の言う通りそのまま逃げて回っていたとしても先生の足を引っ張りかねませんから…」

ほうっと私の模範解答にその場にいた人々は感心したように頷いた。しかし、その中に私を疑心暗鬼の目で見てくる人が数人ほど。

「いやいや。相澤先生。君のクラスには驚かされる。大人相手に全員が立ち向かい、生還したのですから。」

「…………どうも」

淡々と話すこのヒーロー。………なにか違和感を感じる。なんだ?こいつは何を言いたい?

「……君が拘束時に使ったあの化け物の説明をしてもらえないかい??」

「……あれは私が作ったものです。名前を捕縛草(ほばくそう)といいます。地面に植えると急成長し、弦や茎で相手を無傷で捉えることを可能にします。口から出る液は体を痺れさせたり、眠らせたりする効果がありますが、私以外が使うと周りに危害が出るため使用はオススメしません。捕らえた敵を解放する時、捕縛草は枯れてしまうため、多使用は出来ません」

感嘆の声が上がった。

「それは君の個性?」

「はい。私の個性は動物とコミニケーションをとり、かつ動物を操る事ができる個性です。捕縛草は植物をベースとした動物です。制限はありますが、動物であるなら私の個性は大体の場合有効です」

「君は開発者としての才能もあるのだな」

「ありがとうございます」

すると、ここで鋭い目の男がニヤリと笑うのが見えた。男はリモコンを操作して、脳無の写真を見せた。

「……では、これは?」

「…………」

「これに関して君の個性は有効的なのかね?」

……………これか。こいつらはこれを言いたかったのか。捕縛草は調べれば、研究者の卵であってもその構造は理解できるはずだ。それをわざわざ説明させ、私の個性まで話を持っていかせた。そして今度は先程中断した脳無の話。………用意周到な策略。1番嫌いなタイプだ。
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