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【ツキウタ。】魔王様と○○

第14章 小さくなった魔王様


【始】

朝、共有ルームに向かうとプロセラメンバーが集まっていた。

「おはよう」

「お、おはよう!早いな始!」

「プロセラの方が早いと思うが…」

「そ、そうか!?俺たちはいつもこの時間だよな!なあ、郁!」

「は、はい!」

海も郁も何故かよそよそしい。

それは2人だけではなく陽、夜、そして涙までもがそうだった。

「隼だけ寝ているのか?」

「僕は起きているよ、始」

海に聞いたつもりだったが返ってきたのは隼の声。

しかし、本人の姿は見当たらず、声もいつもより高い気がした。

気のせいか…

そう思った矢先、プロセラメンバーが立っていたソファーの前、その間に見えた隼の髪。

しかしそれはいつもより低い位置で見えていた。

隼が起きているならライブの打ち合わせを…と、思い声を掛けた。

「隼、ライブの事だが…」

「ん?」

「……………」

ひょこっと顔を出した隼に出す言葉が無かった。

「これはだな…始…」

「話すと長いというか…」

「俺たちも分からないというか…」

「昨日までは何ともなくて…」

「起きたら隼、小さくなってた」

海、陽、郁、夜、涙がソファーの前から離れると、そこに座っているのは子供の姿をした隼だった。

バタバタと螺旋階段からと降りてきた小春。

「で、出来ました…はぁ…はぁっ」

まだ午前だと言うのに疲労感で溢れ出している小春の手には小さな洋服。

今の隼に合わせて作った服は普段着ている服を手直ししたものだった。

「うん。丁度いいね…これでゆっくり紅茶が飲めるよ」

と言い飲む姿はいつもの隼だった。




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