第20章 魔王様とライブ
落ち着いた頃には周りに人は殆ど居なかった。
居るのはスタッフさん。
「小春さん」
会場を出ると声を掛けられた。
「月城さん、黒月さん」
「隼が待ってる」
2人に付いていき、案内された楽屋に入る。
「失礼します…」
「小春!」
「し、隼…くん」
入るや否や突然隼くんの腕の中。
「お疲れ様…隼くん」
「うん。ありがとう」
色んな事を話したいのに言葉が出てこない。
「今の隼の動き…ライブよりも速かったな」
「海、僕はね…小春の為なら誰よりも速く動けるんだよ」
「そうですか……」
賑やかな楽屋にはいつも通りの皆の姿があった。
この後、スタッフさんたちと打ち上げをし、皆揃ってツキノ寮に帰った。