【イケメン戦国】*ヒメゴト* 戦国時代に舞い降りた現代の姫
第4章 夜駆ける
秀吉は再び馬に乗って、彼女を見た。
華奢な身体だが腕には少々筋肉があることが見てとれた。
しかし、男の自分が握ったら、きっと折れてしまうだろう……そんな身体だ。
細い首筋に白い肌……なぜこんな奇怪な恰好をしているのかわからないが、腕と足の素肌の大部分が露わになった着衣を着ているのだ。
思わず目を反らした。
そのまま見ていれば……きっと目の保養どころではなくなる。
「ん? この包帯」
秀吉は、腕に巻かれた、破れた着物らしき布に気づいた。
「ああ、これ。なんか刀傷みたいだったから、止血して巻いておいた」
「刀傷?」
「ああ」
そういえば、と秀吉は思い出した。
信長が【俺を助けた際、女は腕に刀傷を負った】と言っていたのだ。
きっとそれだろう。
「……由里が寝ているうちに、できるだけ走っておくぞ」
「ああ……せいぜい、しっかり抱いて落とさないようにしておく」
ニヤリ、という言葉が相応しい笑みでを浮かべ、政宗はしっかりと由里をの肩を抱いた。