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君が笑う、その時まで

第18章 変化


 唖然となる2人。
 そんな2人にどう声をかければいいか分からずにいる大多数。

 だが、均衡が破られたのはすぐのことだった。

高「あれっ、もしかして海常の笠松さんじゃないっすか!」

 高尾君が嬉々とした声を上げた。
 笠松さんは驚いたように目を丸くして高尾君を見やる。

 ますます高尾君の表情は緩んでいき、ずいずいと店内に入っていく。

高「ちょっ、月バスで見ましたよー!うはーっ、せっかくなんで話きいてもいいっすか?」
 言うか早いか、高尾君は笠松さんの腕を引っ張っていった。
 そのまま座敷の方へと2人して行ってしまった。

緑「………………。」
 ひとりその場に残された緑間君は無言でテーブル席にやって来た。
 
 黒子、火神君、黄瀬君、そして緑間君。
 4人がそろってしまったこの席が私にとって心落ち着ける場所ではないことぐらい、高尾君が笠松さんを連れ去っていった時点で確信していた。

伊織(……私も今のうちに避難しておこう)

 何となく気まずさを感じ、そそくさと席を立つ準備を始める――

 その時。

黒・火・黄・緑「待ってください/待てよ/待つッスよ/待つのだよ」

 4人の声がぴたりと重なった。

黒「伊織さんはそこにいてください」
 そう言うなり黒子が私の隣に座る。

 黄瀬涼太、緑間真太郎、黒子テツヤ、火神大我。――”キセキの世代”と〈幻の六人目〉、さらには”キセキの世代”と同格の誠凜ルーキーが一堂に会したテーブル席が出来上がる。

 私はなぜか彼らに囲まれていて、すっかり身動きが取れなくなっていた。
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