第3章 共同作業。
それからみんなと一緒に晩御飯を食べ、いろんな話をした。
少しだけ仲良くなれた気がした。
3人は昔同じスイミングスクールに通っていたそうだ。
3人の共通点は男なのに女っぽい名前って事らしい。
「そういえば、楓ちゃんも女っぽい名前だよね?」
「あぁ。まぁ…な。」
言われてみれば、
お兄ちゃんの名前は女の子っぽいかもしれない。
そう考えればこの3人と同じ共通点持ってるんだなぁ。
もし、お兄ちゃんがこの3人と出会ったら…
私よりもっと仲良くなれたのかなぁ…
なんて考えるとちょっぴり寂しくなった。
「これからもよろしくな。楓。」
橘先輩がニコリと微笑んだ。
「はい。宜しくお願いします。えっと…」
「真琴…って呼んで欲しいかな。」
「はい!真琴先輩!」
真琴先輩は満足そうにニッコリ笑った。
「あー!!!マコちゃんだけズルイ!僕も、渚 でいいからね!」
「おう。渚!」
私がそう呼ぶと渚は嬉しそうに笑った。
「…遙。」
ボソっと七瀬先輩がそう呟いた。
「へ?」
「遙…。俺の名前…好きに呼べ。///」
「はい!遙先輩っ!」
私がそう呼ぶと、遙先輩は静かに笑った。
遙先輩は少し不器用な人なのかもしれない。
自分が兄の影武者だって事を忘れて
こんなに楽しめたのはこの2年間でこの日が初めてだったのかもしれない。