第18章 異世界コラボ~銀魂編~
ピピピピピ……
「おっと。電話だ」
丁度、話が終わったタイミングで太宰の携帯電話が鳴る。
「もしもし」
『太宰か?○○の駅ビル付近で軟派している2人を目撃したという情報が入った』
「○○の駅ビル付近ね。丁度、その辺に居るからこのまま捜すよ」
『直ぐに応援に向かう』
「了解」
ピッ
「何か判ったんですか?」
「うん。目撃情報があった」
「えっ!」
新八が驚く。
「この付近で人を拐えて、且つ人気の無い場所となると」
そう云いながら太宰は歩き出す。
新八もそれに続いた。
太宰は目的の場所が判っているかの様に周囲を窺うことも、迷うことも、立ち止まることもせずに歩き続ける。
「あの…さっきの話ですけど」
「ん?」
「何で僕に言ったんですか?黙っていれば……判らなかったのに」
「最期まで黙っておく心算だったのだけどね。君の姉思いは私が考えていたモノよりも強いものだ」
「……。」
「君の意志が決して揺れることがないように」
「貴方は残酷で非道ですね」
新八が困った顔をして、少し笑いながら云う。
「ふふっ。その通りだよ。此れでも元マフィアだからね」
「え」
ポカンとして太宰の顔を見上げる。
「えぇ!?犯罪者みたいっていうか犯罪者だったのかよ!」
「はははっ。良い反応だよ新八君」
ヘラッと笑って答える。
「だから忘れないでいてくれ給え」
「何がですか!」
ツッコミの勢いで聞き返す。
「私は望んだものを手に入れたいと思ったら手段は選ばないと云うことを、だよ」
「…!」
妖艶な笑み。
今まで見せたことのない、どす黒い感情が混ざったその表情を見て、新八は思わず息を飲み込んだ――。
「此処かな」
突然、立ち止まる。
目の前にあるのは地下へ続く階段。
電気の点っていないその階段の置くに、辛うじて扉があるのが見える。
「太宰さん!」
「谷崎君、国木田君」
谷崎と国木田が合流する。
「……此処か」
「恐らくね」
「谷崎」
「はい」
異能力―――『細雪』
辺りに突然、雪が降りだす。
「え!?雪!?」
思わず新八が声をあげる。
「ああ。異能力を見たことが無かったね」
太宰がクスクス笑って説明する。
その間に、二人が突入していった。