第23章 修業
そして今…
やっとこさ、修業をすることになった。
恵土「ってことで、一回戦おう」
焦凍「ああ。個性の使用はありか?」
恵土「無しじゃショートに勝ち目ないでしょ」
焦凍「…だな」←冷静に考えた
それから…
恵土「炎も使ってこい」
焦凍「!」
恵土「…どれだけ扱えるのかだけでも知っておきたい」
焦凍「…わかった」
ショートからの了承も受け
総合的な戦力を分析することになった。
精霊『何でそんな偉そうなのよ;
俊典さんと話してる時もそうだったけど』
恵土「…気に食わない時は自然とそうなる。
乱暴な口調だろうが辛抱してくれ。
使えるのに使わなかったら、ないのも同じだろ。
すぐ助けられるのに助けようとしねえのと何が違う?」
精霊『んー。
でもあんた知ってるでしょ?事情があって』
恵土「でも…
それが、使わなくていい理由にはならない。
私が…
殺されたからって、殺しちゃいけないように。
好き勝手に傷付けられること言われて、何も仕返しなんてしちゃいけないように。
世の中ってのは、常に理不尽が付きまとうもんだ(ぎん」
その目は、どこまでも暗闇を宿していた様に見え
畏怖しか感じないぐらいの深いものだったらしい。
傷付き、悩み、抱え込み、相談できず
いじめられる時でも
暴言や言動に傷付けられて泣きじゃくる中、誰も助けず見向きもせず
殺されかけてもなお、まったく同じだった。
自分たちだけの平和を噛み締めて
横目で見ながら、聞いていながら
いつでも常に、へらへらと笑う姿。
それしか、私は視たことがない。
長年に渡って積み上げられてきた闇は
いつしか凝縮され切って…
到底、変えることなどできないものになっていた。
恵土「ヒトってのは…そういうもんだろ!
殺しても殺しても
人の命を、この世界ごと奪ったとしても
決して失せることのない闇が!
今もなお、この胸の奥に渦巻いてある!!」
なんでか、湧き出る想いを止められなかった。