第3章 残暑
「香苗さんならいろいろやってるし、何でも許してくれるって思っちゃったんです。」
そして啓太は小さく「ごめんなさい。」と謝罪した。
「男が狼になる、とか言うじゃないですか。挿れたらそんな感じになっちゃって。」
彼女には遠慮して出来ないことが、香苗さんにならいくらでも出来る。
「そんな風に思ったら、自分の凶暴さが怖くなって萎えちゃいました。」
はははっ、乾いた声で笑う啓太。
「でも、香苗さんが可愛いのが悪いんですよ?」
そう言って啓太は香苗の頬をつついた。
香苗はただただ、呆気にとられていた。