第1章 紅薔薇【黒バス:火神】
かなりいきなりだったのでバランスを取ることも出来ずに、火神のお腹の上に倒れ込んだ。
「何後輩襲ってんだよセ・ン・パ・イ」
あまりのことに思考が停止する。
視界一杯に火神。
心臓がどきどきする。
「ってか、軽すぎじゃねー?ちゃんと飯食ってんのか?」
私の腰を抱き込みながら笑う火神。
頭が正常に作動しない。
「か、火神…っ起きてたのっ!?」
急いで離れようとしたら腰を押さえられていて立ち上がれない。
「ちょっ…離してよ!」
顔が赤らむのが判る。
じたばたもがいてみるけどがっちり掴まれていて、全く逃げられない。
恥ずかしいにも程がある。
「何で逃げんだよ。あんたオレのこと好きじゃん」
「!?」
予想外の一言に頭を殴られたような衝撃があった。
火神の胸に手をついて、固まる。
それを良いことに頭も掴まれる。
「キスしてイイ?」
「なっ!?だめに決まってるでしょうっ!!」
腕をつっぱって抵抗しても力では勝てず、ぐいぐい引っ張られる。
「オレ好かれてる自信あんだけど、なんかそこまで抵抗されたらヘコむぜ?」
視界いっぱいの火神にぎゅっと目を瞑る。
チュッ
柔らかな感触が唇に伝わる。