第18章 Graduation… ♥︎ 〜大将優〜
次の日。
両親は親戚のところへ行くと言って、出かけた。
明日の夜には帰るらしい。
それまで1人。1人になると、大将くんのことを考えてしまう。
アドレスを引っ張ってきて、本文を作成しかけては、削除した。
会いたい。会いたくない。
……会いたい。
時計を見ると、午前8時17分。遅刻はするものの、1限目には間に合いそうだった。
『…ほんと、馬鹿みたい』
少し自嘲気味に吐き捨てて、ブラウスに袖を通す。
あと4日。この4日間を、無駄にしてはいけない。
制服に身を包み、私は家を飛び出した。
学校に着くと、皆が驚いたように私を見た。
もちろん、大将くんも。
「お前…卒業式まで休むんじゃ…」
『やめたの』
「え?」
『自分に嘘をつくの、やめたの』
授業の準備をしながら、大将くんに向き直る。
『だって…高校3年は、もう二度とないんだから』
私はうまく笑えてたのかな。
大将くんが驚いて息を詰めた。